「時短勤務なら、きっと何とかなる」
そんな希望を胸に、私は2人目の育休から職場へ戻りました。
でも、待っていたのは、思い描いていた“両立生活”とはまるで違う現実でした。
責任ある仕事からは外され、頼れる人もいない中で、子どもの体調不良、夫とのすれ違い…。
仕事と育児のバランスを取りながら、私は少しずつ「もう限界かもしれない」と感じるようになっていきました。
そして、上の子の小学校入学が近づくにつれ、
「このままの働き方を続けられるの?」
という問いが、心の中で大きくなっていったのです。
でも、職場の現実は、私の想像よりもずっと冷たくて厳しいものでした。

この「脱ワーママ計画」は、ごく普通のワーママだった私が、小さな積み重ねで働き方と暮らしを見直していった過程を記録したものです。
忙しい毎日の中で「このままでいいのかな」と思ったことのあるあなたへ。少しでも、ヒントや勇気になればうれしいです。
戻れなかった元の部署、続いた雑務の日々
私が産休に入った後に配属された“後任”の若い社員が、元の業務を引き継いでいました。
そして復帰した私には、「席がない」状態。
私は以前の部署には戻れず、資料作成や備品管理、社内サポートなどの雑務中心の部署へ異動となりました。
「責任ある仕事は時短勤務では難しいから」
「サポート業務なら無理がないでしょ」
そう言われ、私は完全にマミートラックに乗せられていたのです。
日々の業務は単調で、達成感も成長実感もほとんどなく、
「ありがとう」や「頼りにしてるよ」と言われることも少なくなっていきました。
会社に毎日通っているのに、まるで“透明人間”になったような感覚が心に広がっていきました。
一時的なフルタイム復帰。でも、待っていたのは“限界の毎日”
その後、後任の社員が産休に入ることになり、私はフルタイムで元の部署に復帰することになりました。
一見「やっと戻れた」と思ったのも束の間。
久しぶりのフルタイム勤務は、体にも心にも想像以上に重くのしかかりました。
朝は子どもたちを保育園に送り出し、全力で仕事をこなして、
帰宅後は夕飯、寝かしつけ、残った家事。
深夜に洗濯機を回して、翌朝はまた6時に起きる。
気力で毎日をなんとかまわしていた、そんな日々でした。⇒当時のフルタイムワーママのスケジュールはこちら
保育園からの電話、そして「また私か」とつぶやく日
ある日、午後の会議前にスマホが震えました。
保育園からの番号です。
「お熱が出てしまって…すぐにお迎えをお願いします」
すぐに夫に電話しました。
「これから大事な会議なんだけど、お迎え行ける?」
「…ごめん、今日はどうしても外せない会議があって」
夫も仕事中で動けない。わかっていたけれど、心のどこかで期待していた自分がいました。
その期待が崩れたとき、胸の中にぽっかりと穴が空くような気持ちになりました。
両親は高齢で遠方に住んでいて頼れない。
「どうしてこういう時に、誰も助けてくれないんだろう」と、泣きそうになるのを堪えて職場に「すみません、また早退させてください」と頭を下げました。
会社の人たちは表面上は理解を示してくれるけれど、何度も続けば気まずさは募るばかり。
周りに迷惑をかけているという罪悪感と、「私ばかりが犠牲になってる気がする」という思いが胸に広がっていきました。
夫との会話は、次第にトゲのあるものに
このようなことが続く中で、夫との関係にも亀裂が生まれていきました。
夜、保育園の予定や行事について話すたびに、
夫はどこか他人事のように「また調整しなきゃか〜」と軽く言う。
その一言に、私はイライラを抑えきれず声を荒げてしまったこともありました。
「どうして、私ばっかりなの?」
「私だって仕事してるのに!」
夫も悪気がないのは分かっている。
でも、一緒に子育てしてるはずなのに“孤育て”しているような気持ちになることが増えていきました。
「時短は3歳まで」そして見えてきた“小1の壁”
下の子が3歳を迎えたことで、時短勤務の制度も終了。
これからは時短に戻る選択しはないという現実が重くのしかかりました。
しかも、来年には上の子が小学校に入学予定。
「小1の壁」が、じわじわと近づいてくるのを感じ始めました。
放課後の過ごし方、学童の空き、長期休みの対応…。
「この働き方で、小学校生活に対応できるのか?」
「どうしたらいいのか分からない」
焦り、不安、そして責任感。
そのすべてが、私の中でぐるぐると渦を巻いていました。
「このまま働き続けられるの?」という問いが生まれた
もう一度、私は心の中で自問しました。
「このまま、限界ギリギリの毎日を続けるの?」
「子どもに“おかえり”を言えない働き方を、私は本当に望んでいるの?」
そのとき初めて、「退職」という2文字が現実的な選択肢として心に浮かんだのです。
次回は【脱ワーママ計画|第4話】積み立て投資が支えてくれた個人資産1500万円の光。へ
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